夢のお告げの温泉 湯免温泉
むかし、むかし、今から一二〇〇年前ぐらいのことです。
弘法大師が唐で仏教の修行の帰途、表山にしばらく滞在されたとき、夢を見られて
「三隅の星に、効能高い温泉が湧き出ている」と告げられました。
人々が探してみると、夢のお告げのとおりに現在の位置(山口県長門市三隅)に、こんこんと湯が湧き出ていました。
それからはこの温泉をゆめ(湯免)温泉というようになったということです。
また、むかし、草むらから、足に怪我をしている一匹の兎が飛び出してきました。
次の日も次の日も同じ場所から出てくるので、不思議に思って草むらを調べてみると温泉がありました。
兎はここで傷を治していたのです。
このように、兎が発見した湯であるので、人々は湯免というようになったとも言われています。